どんな色に･･･

先日、大量の10円玉を数えていた時のこと。

10枚ずつ数えていた時に最近では目にする機会が少なくなった「ギザ10」(ギザジュウ)を見つけた。昭和40年代以前の生まれの方ならご存じだと思うが、知らない方のために少し説明しておくと、10円玉が製造されたのは昭和26年、諸説あるが貴金属の貨幣の外側が削り取られるのを防ぐために、10円玉のふちをギザギサに加工したらしい。

ギザ10に混ざり、令和生まれの10円玉がピカピカと光っている。中には、昭和生まれでも比較的きれいな状態だったり、平成終盤でも年季を感じたり、同じ製造年であっても表面の傷や色は少しずつ違いこんなにも表情が豊かであるのだと初めて気づく。今日、私の手元に至るまでに、これらの10円玉が通ってきた道のりを思うと想像が膨らむ。

その「ギサ10」の製造年を見ると昭和27年。68歳になるのかぁ。計算が間違っていなければ、寺方幼稚園の第1期生が生まれた年になる。今まで卒園していったたくさんの園児たちが、どんなふうに育って、どんな人生を送ったのか、ギザ10に重ねて思いを馳せる。

ふと、園庭を見るとこの春卒園の66期生が元気に駆け回っている。

笑顔が絶えない子。泣き虫な子。あきらめないで何度でも挑戦する子。給食が苦手でいつも格闘している子。なかなかお友達の輪に入れない子。絵がとても上手な子。大きな声であいさつできる子。恥ずかしがり屋の子。

新型コロナウイルス感染症が広がり、不安な年の始まりだが、いろんなもち味のこどもたちが、どんな状況にも負けないで、自分の未来を切り開き、どんな色に輝くのか。ワクワクしながら、その成長を応援していきたい。

２０２１年、良い年になりますように。(教務)

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